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日記、感想、オタ活・・・ごちゃまぜ雑多の物置蔵
3作品の感想を過去に書いてたのでまとめてup。

【1作目】
※2020.6.28当初に劇場で観た時の感想

 ラストに出てきたテイルスのあの完成度なんなん…?

 ソニックの吹き替えが金丸さんではなく中川大志なのは、このソニックはソニックという名前だけど、見た目もちょっと違うし精神的にも完成されてないし、そういう差別化を含めて声を変えたのかなと思っていた。

 性格も声も違うからこそ、私の知っているソニックとは別時空の話として楽しめた。Drロボトニック(エッグマン)についてもそう。このドクターは「エッグマンランドを建設するのだ!」とか言わなさそう。ドクターのダンスシーン、キレキレで良かったですよ。衣装がかっこいいよね。なのに最終的にはああなるのか…。

 なのにテイルスときたらどうだ。
 見た目どころかCVまで原作通りだぞ。

 続編に繋げたいのはわかる。エッグマンが別の星に飛ばされ、そこで髪を剃り例の赤い服になり、お馴染みの姿に近づくことでソニックのさらなる活躍を連想させている時点で察した。しかもイカれた星で過ごすことで、いい感じにエッグマンの精神もイカれていく(カッコイイ悪役からより原作に近くなる)のが面白い。

 だからこそテイルスというさらなる匂わせが出るのは、ほんとに予想外でした。せっかく金丸ソニックと中川ソニックを差別化して楽しんでいたのに、最後にひっくり返されて軽くパニックだよ。
 でもテイルスが出たことでなんかこう、これからやっとソニックと仲間たちのワクワクの冒険が始まっていくのかなと嬉しくもなったね。他の仲間も出るのかな。

 肝心の本編は…そうだね、ソニックではない、って感じだね。私はね……ソニックは人格が完成されているから好きなんだよね。アニメでも主人公の少年に対していつも憧れの存在であったし、ゲームでもいつも挫けない、諦めない。そういう英雄的なところがソニックだと思ってる。

 対してこの映画は、「友達がいない」「寂しい」ソニックの成長と成功の物語なので、ソニックのウィークネスな部分がたくさん見られる。新鮮でもあったし、コレジャナイ感もありました。まぁ「こんなのソニックじゃない!」と思わずにいられたのは、フォルムと吹き替え俳優のお陰なんじゃないかなと。そういう意味では今後に期待...かな。


【2作目】
※視聴日2025.1.23
 2作目はすっかり映画館で観るタイミングを失っていたので、3作目を観に行く当日に配信で急いで観た。-万歳。

 映画のソニックは性格が子どもすぎるんだけど、原作があまりにも人格完成されてるので、「成長途中の世界線のソニック」を見ていると思えばめっちゃかわいく見えてくる。12歳くらいだと思えば納得。そして冒頭で湖に溺れるソニックがガチで水に怯えててかわいかった。ガキのソニックかわいいなー!(言い方) トムのソニックに対する目線がまさに保護者で面白い。アニメ版とは人間とソニックとの立場が逆転してるのがまた新しいね。

 ナックルズの性格もマジナックルズで面白い。彼に悪気はないんだよ...w全体的にシュールなギャグが多いので、そこにナックルズのキャラはマジでハマってて笑う。そしてちゃんとエッグマンに騙されるお約束なのもおもろい。
 ナックルズ良い奴なんだよなー!!!

 ソニックとテイルスとナックルズが揃ったところで、突然「ウッッッこいつらかわいい...!!!」と謎に愛が生まれた。彼らの掛け合いを永遠に見ていたい。握手の力がとち狂ってるナックルズも、孤独こじらせすぎて自認バグってるテイルスも、仲間を得て精神的に成長したソニックもみんなみんな愛しい。良いコンテンツをありがとう。こんな気持ちになれるだけで観て良かったし今日の映画を予約したのも大正解だったなと思う。正直彼らの掛け合いが見たいだけだから、映画の筋がどんなんでもまぁ別に関係ない。オタクはそういうもんだ。

 一番衝撃的だったのは、ソニックがトムに「父さん」って呼びかけるところ。ソニックに、人間が、「父さん」と言われる世界線がある!?!!! 私はソニックの成長を見守る人間の目線で観ていたので、私の目線が映画のトムとリンクしたみたいで嬉しくなった。


【3作目】
※2025.1.23映画館で観た!
他に観客が居なくて、私の為だけに上映してた。

 観にきて良かった〜!!!
 シャドウのクールさが味わえるし、チームソニック3人組は抱きしめたいくらいかわいいし、人間たち含めキャラクターの掛け合いもギャグもアクションも盛りだくさんで見応えがあった。個人的には、理解不能な行動をしている人間を真顔で見つめるシャドウがたくさん見られて幸せだった。そういうときのクールなキャラって無垢に見えてかわいいんだよな。
 あと私はソニック達の保護者の目線で映画を観てるので、成人男性がテイルスに「君かわいいね」って声かけるところで「やめろ!!テイルスに近づくな!!!」と心の中で叫んでいた。かわいいけどさ!

 まぁ1番良かったところはね、クライマックスで原作ゲームの楽曲流れるところだね。露骨に湧かせに来ててよかったね〜!「オタクこういうの好きでしょ?」って見透かされてるのはわかるんだけどね。好きに決まってるよ!!!!

 正直、私はシャドウが出てくるソニックゲームをそんなプレイしてないので彼への興味がそんなに無かったんですけど、この映画のおかげで「うおおお幸せになってくれ...!」と愛着が湧きまくった。

 エンドロール後の映像でまたテンション爆アゲさせてくれるのも最高だね。エミーちゃんめっっっちゃくちゃ顔がかわいくて秒で惚れたし、シャドウ生きててとても嬉しかった。なんで映画ソニックは、主人公以外みんなビジュが100億点なんだ。


総評
 ソニックのエンタメ力はやっぱりすごい!
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 スティーヴン・キングの『書くことについて』、血迷って買ったとしか思えない積み本だったけど(そもそもスティーヴン・キングを読んだことがない。絶対スピルバーグと勘違いして買った。エンタメを書くことについての話だと思ってた。)、物語を書きたい人間にはとても有用な内容でとても良かった。買うべくして買っていた。

刺さったところ
 ・たくさん読め、たくさん書け。読みも書きも等しく物語に費やした時間である。
 ・プロットに頼るな。物語は発掘を待つ化石であり、化石の姿は掘り終わるまで分からない。
 ・「見せることができるなら語るな」至言すぎ
 ・象徴性とテーマの補強は二次原稿でできる
 ・幸せになるために書く

 あと単純に「己にしかない知識で物語に厚みを持たせる」のもたしかに良い話。私しか知らない世界もあるもんな。


 とにかく創作意欲を掻き立てられる本だった。まぁ今は意欲死んでるので掻き立てられたところで書かないんだけど、こういう本があるって知れただけでも私の人生にプラスになったなと思う。
DUNE砂の惑星の原作を第三部まで読み終えた。

 映画2作目を春に観て「なんかずっと面白いぞ…?」とのめり込んでしまった作品。次々に出来事がやって来る叙事詩的な面白さに魅了されて、あと映画のこの先が気になったので、ためしに第一巻だけ読んでみたら面白くて、コミックスを買い揃える感覚で次から次へと読んでしまった。
 以下はその感想です。

・長ぇ!!!!一応ポール・アトレイデスの物語が終わるところまで読み終えようと思って「砂丘の子供たち」まで読んだけど、この先も砂の惑星の物語が倍以上続いていると思うと本当にビビる。原作量がハリーポッターに匹敵するとは思わなかった。想像以上の大河長編で恐れ入った。...今は正直、「もうやめてもいいか...?」という気持ちと「ここまで読んで世界観を記憶しているならこのノリで続編を読むべき」という気持ちが葛藤しているが、ここから進んでも邦訳が進んでない巻にぶち当たるので、一旦もうDUNEシリーズは置くことにする。新訳が発売したら買うよ...

・書評で「ストーリーの大枠を追っただけでは面白い小説ではない」と言われてるのは笑ったが、そのとおりだと思う。特定の人物の足跡が物語の筋として成り立つものではなく、世界観や現地文化や惑星環境、様々な派閥の思惑が交差して、「彼らはどんな結末を迎えるんだ...」とそれらの化学反応を見守る気持ちで読むのが面白いなと思う。たしかに大河って感じ。だから「このシーンが良かった!」とかハッキリ言える箇所はあんまりなくて、ただ物語の行方が気になって「なんか面白いな...」と静かな興奮を胸にどんどん読み進めてしまった。だからこそ、全7巻という総価格を考えたくない買い物をしてしまったんだな。
 この静かな興奮で画面を見入ってしまう感じは、映画版に感じていた雰囲気であり、私が原作に興味を抱いたきっかけでもある。映画版の雰囲気は、原作のいいところを再現してくれていたんだなと分かって嬉しい。

・ただ、結末が気になるあまりろくに理解せず読み進めてしまったので、できれば読み返して誰が何をしてどうなったのかまとめたい。まぁ三部までとはいえ長いんで、時間があればって感じですけどね...。春から読んでもう真夏かぁ...ほぼ半年、砂の惑星の物語と一緒に過ごしてきたってこと...?すごい上半期だな...。

ようやく物語の感想に入る
・ジェシカが最後まで死なないのは意外だった。映画初見の感想が「このお母様、主人公を残して死ぬタイプやろなぁ...」だったので、御母堂のことを完全に甘く見ていた。映画だと冷静な美人って感じだけど、心の声もわかる小説だと人間的な葛藤が結構ある。

・ポール結局なにがしたかったのか初見じゃ全然掴めなかった。ほんとにごめん。チェイニーがもっとも苦しまない道を選んだことはわかる。もしかしてレトと同じものが見えてはいたのかな...。

・第2作のダンカンがダンカンになることがトレイラクス会の策略!っていうところ、実はかなり好き。結局ポールにはミリも効かなかったけど、悪魔的で最高のトリックだなと思った。

・アリアと双子のちがいって結局なんだったん...?先人たちの記憶に守られたかどうかってこと...?双子は双子ゆえに感覚を共有できる相手がいたから、冷静に自分たちのことを見れたのかもね...。アリアにとっての共有相手はポールだったのかもしれないけど、ポールは消えてしまった。そこからアリアもおかしくなったと思うと、そりゃジェシカも苦しむよな...。

・三部終了時点でぜんぜん緑の惑星になってないけど、ここで物語おわってないから当然か...。カインズ博士の悲願が叶うところ見たかったよ...勘弁してくれよ...(この先を読むべきかどうかの葛藤)

とりあえず積み本にせずに済んでホッとしている。
また映画を見返して、背景やキャラクタービジュアルを補完したいな。
伊藤計劃『ハーモニー』を読んだ。

 ロジカルに展開される架空の世界と物語。
 もはやSFというより社会学。

 『虐殺器官』を読んで「伊藤計劃ってスゲー!」と言いながら、「どうせ百合だろ...」みたいな感覚で『ハーモニー』を読んでなかった自分をぶん殴りたい。マジでぶん殴りたい。ここまで「現代社会の延長戦」を徹底的に突き詰めた物語を読まずして、「思考実験みたいな小説が好き♡」とかよく言えたな私。死ぬほど恥ずかしい。

 展開やテーマが興味深くて面白いのは当然として、作品丸ごと一人称を生かした作りになっているのも痺れるポイント。まるで未来の書簡体小説。書かれる意味、そして読まれることも意識した構成に、物語というものに真摯に向き合って作られているのが伝わる。そういうところに惹かれる。

 読むことを後押ししてくれた友人に感謝を。

久しく読書から離れていた私を再びSFに引き寄せたとんでもない本。
すべて読み割った今、「やっぱSFって面白いわ・・・!」とこれが読める喜びを噛みしめている。

この小説を知ったのは以下の記事から。
【今週はこれを読め! SF編】風の星、砂の星、崖の星、水の惑星〜中村融編『星、はるか遠く 宇宙探査SF傑作選』 - 牧眞司

偶然見かけたこの記事が頭から離れなくて、2月末に誘惑に負けて注文した。
大正解だった。

長編を読む根気が無い自分にとって「短編集」はなによりもありがたい存在だったし、アンソロジーだからこそテーマも文体も雰囲気も異なる作品に次から次へと巡り合えて決して飽きない。「探査」をカギとして集められているという点も良かった。何かを探したい、解決したいという欲求は物語と非常に相性が良いと思う。

というわけで感想を書くが、本書は短編のため、結末を知ることそれ自体が物語全てを知ることになりかねない。ほとんどすべての話が「事前情報なしで読むのが一番面白い」と言えるので、ちょっとでも興味がある場合、以下のネタバレを含む感想は読まないことを推奨する。なんならさっき引用した記事も読まない方がいいくらい。忘れた頃に買ってくれ。


以下、感想。

特に好きだったのは「異星の十字架」。
読み終えてみると単純でお約束な物語だなと思うが、初見の私はこの物語に出てくる神父並みに察しが悪かったので、めちゃめちゃ楽しめた。ああそうやって帰結するのか、と腑に落ちる感じが最高に気持ち良い。最後は、取り返しのつかないことをしてしまったと知った異星人のセリフで締めくくられるのだが、それまでコミカルでファンタジックに描かれていた雰囲気が後ろ暗い発言で終わる、という温度差もまた満足感を爆上げしている。

「ジャン・デュプレ」はSFというより、英雄のいる戦争映画のようで、映画一本見終わったような読後感があった。2010年代の映画でこういうシナリオありそうなんだよな。そう感じるくらい現代で読んでも色褪せていないのが名作たる所以か。

「故郷への長い道」は、トップに掲載されるのが納得のいく話だった。それまで本書のことを「宇宙の深遠でやばい上位存在に遭遇する」みたいな話のアンソロジーだとなぜか想像していたので(たぶん帯のせい)、「宇宙の果てで不思議なものを見つける」というこの作品の温度感・緊張感は、アンソロジーの主旨を理解するのに大変役立った。なお、マヤ文明の都市伝説を子どものころにテレビで見ていた私にはあまりにも刺さりすぎる真相だった。

「風の民」、この背徳的で耽美な雰囲気は間違いなくゴシックホラー。登場人物の葛藤すら美しく見えて困惑する。(だからといってアンソロジーに相応しくないよねって言いたいわけではなく、むしろこういう作風もあるのは大変面白いと思います)


「タズー惑星の地下鉄」、地下鉄ってよく考えたらめっちゃロマンだよな・・・!という謎の興奮を得た。遺跡じゃなくて地下鉄っていうのがまぁかっこいい。かつてここにあった高度文明をその一言で証明できるんだからすごいもんよ。こういうロマンに共感できる人なら絶対面白く読める。

「地獄の口」、なんの説明もなく探検隊がもくもくと進む様子から始まり、そのまま困難に突き当たってドラマがあって物語が終わるので、翻訳者の前説が無ければ理解不能だったかもしれない。ただ、場景は毒々しいくらい鮮やかで、理解も追いつかずにそんなのを読み進めていくのは、ヤバい夢を見ている感覚に似ている。エンディングが淡々とその後の世界を説明しているのが結構好き。対比が効いている。

「鉄壁の砦」、これもホラー。どうにも私は、真相がわかる怪異はSF、真相がわからない怪異はホラーと理解しているところがある。そういう分類で行くとこれはホラー・・・だが、広大な砂漠に建つ孤独な砦、というロケーションが雰囲気最高なので、そんなことはどうでもよくなる。

「総花的解決」、タイトルが堅苦しいわりに本書で最もコミカルでユーモアがある作品。訳者あとがきを読むと、タイトルの意味とユーモアをぶち込む必要性にも納得がいく。マニャンという外交官が出てくるのだが、名前にひっぱられて私の頭の中ではずっと半獣人(猫)の神経質な男性のデザインだった。私の頭の中でだけ、世界観がますむらひろし(「銀河鉄道の夜」を猫主人公でキャラデザした人)だった。

ラストを飾る「表面張力」は、プロローグ時点ではなぜそんなタイトルなのか想像できなかったのだが、その意味を理解した瞬間、鳥肌が立った。引用した記事にも書かれていたが、「水の中」という異世界にもかかわらず、徹底した描写のおかげで光景をはっきりと思い描くことができるのがすごい。最後の方はなんかもう映像がマジで鮮明に見えるし、パラが息絶えるシーンは感極まってちょっと泣いた。「知識にできないことは何もない」って、知識をフルに使って困難を成し遂げた人間に対するセリフとしてはかなり感動的だし、ここでプロトと人間たちの確固たる同盟が約束されたことで未来(哺乳類の進化)が約束されたようなものだと思わせる手法もずるい。さらにそのエンディングに運命的な再会もぶち込んでくるのはやりすぎではと思わなくもないが、物語がここで終わるのだから、成すすべなく死ぬしかなかったプロローグの絶望をひっくり返すくらいの希望があって当然だろう。この小さな冒険者たちに幸あれ。


気が付いたら全作品の感想を書いていた。


こうして感想が書きたくて仕方ない熱意を持ったのも久々だし、文庫本をこれほどの短期間で読み終えたのも久々。そして火が付いた読書欲にまかせて今日は5冊も本を買ってしまった。SFって面白いんだという当然のことを思い出させてくれた本書に心から感謝を。願わくば今後もこういうアンソロどんどん出版してください・・・!

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