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日記、感想、オタ活・・・ごちゃまぜ雑多の物置蔵
 学生の頃に数ページで挫折した本。
 学術書?にしては著者の語りが柔らかくて読みやすいのに、どうして挫折したのか謎。戦争モノへの興味は昔の方があっただろうに。まぁ今の方が読書耐性あるってことなんだろう。

 27章 捕虜をどうすべきか 
 著者が若い兵士に放った答えがかっこよくて痺れた。私もこういうことが言える上司になれるよう、常に冷静でありたい。

 私の人生において、兵士になって人を殺すなんて経験は、日本が大戦争に突入でもしない限り有り得ないと思っている。まさに自分には縁遠い世界だが、日々摂取しているフィクションにはかなりの確率で「殺し」が現れている。その解像度を上げられるという意味でも、自分には知りえない世界を経験者が上梓した文章で読める貴重さという意味でも、読んでよかった。

 本書は「人殺し」のパターンとその影響について、各種の例を用いて丁寧に語っている。情報量は多いのだが、繰り返し同じ話をしてくれるので、とりあえず最後まで読めばかなり印象に残る。そういう親切さが読みやすかった。


 今の私が戦争映画を見たら、解像度めちゃくちゃ変わるんだろうな。たまには専門書もいいね。
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3作品の感想を過去に書いてたのでまとめてup。

【1作目】
※2020.6.28当初に劇場で観た時の感想

 ラストに出てきたテイルスのあの完成度なんなん…?

 ソニックの吹き替えが金丸さんではなく中川大志なのは、このソニックはソニックという名前だけど、見た目もちょっと違うし精神的にも完成されてないし、そういう差別化を含めて声を変えたのかなと思っていた。

 性格も声も違うからこそ、私の知っているソニックとは別時空の話として楽しめた。Drロボトニック(エッグマン)についてもそう。このドクターは「エッグマンランドを建設するのだ!」とか言わなさそう。ドクターのダンスシーン、キレキレで良かったですよ。衣装がかっこいいよね。なのに最終的にはああなるのか…。

 なのにテイルスときたらどうだ。
 見た目どころかCVまで原作通りだぞ。

 続編に繋げたいのはわかる。エッグマンが別の星に飛ばされ、そこで髪を剃り例の赤い服になり、お馴染みの姿に近づくことでソニックのさらなる活躍を連想させている時点で察した。しかもイカれた星で過ごすことで、いい感じにエッグマンの精神もイカれていく(カッコイイ悪役からより原作に近くなる)のが面白い。

 だからこそテイルスというさらなる匂わせが出るのは、ほんとに予想外でした。せっかく金丸ソニックと中川ソニックを差別化して楽しんでいたのに、最後にひっくり返されて軽くパニックだよ。
 でもテイルスが出たことでなんかこう、これからやっとソニックと仲間たちのワクワクの冒険が始まっていくのかなと嬉しくもなったね。他の仲間も出るのかな。

 肝心の本編は…そうだね、ソニックではない、って感じだね。私はね……ソニックは人格が完成されているから好きなんだよね。アニメでも主人公の少年に対していつも憧れの存在であったし、ゲームでもいつも挫けない、諦めない。そういう英雄的なところがソニックだと思ってる。

 対してこの映画は、「友達がいない」「寂しい」ソニックの成長と成功の物語なので、ソニックのウィークネスな部分がたくさん見られる。新鮮でもあったし、コレジャナイ感もありました。まぁ「こんなのソニックじゃない!」と思わずにいられたのは、フォルムと吹き替え俳優のお陰なんじゃないかなと。そういう意味では今後に期待...かな。


【2作目】
※視聴日2025.1.23
 2作目はすっかり映画館で観るタイミングを失っていたので、3作目を観に行く当日に配信で急いで観た。-万歳。

 映画のソニックは性格が子どもすぎるんだけど、原作があまりにも人格完成されてるので、「成長途中の世界線のソニック」を見ていると思えばめっちゃかわいく見えてくる。12歳くらいだと思えば納得。そして冒頭で湖に溺れるソニックがガチで水に怯えててかわいかった。ガキのソニックかわいいなー!(言い方) トムのソニックに対する目線がまさに保護者で面白い。アニメ版とは人間とソニックとの立場が逆転してるのがまた新しいね。

 ナックルズの性格もマジナックルズで面白い。彼に悪気はないんだよ...w全体的にシュールなギャグが多いので、そこにナックルズのキャラはマジでハマってて笑う。そしてちゃんとエッグマンに騙されるお約束なのもおもろい。
 ナックルズ良い奴なんだよなー!!!

 ソニックとテイルスとナックルズが揃ったところで、突然「ウッッッこいつらかわいい...!!!」と謎に愛が生まれた。彼らの掛け合いを永遠に見ていたい。握手の力がとち狂ってるナックルズも、孤独こじらせすぎて自認バグってるテイルスも、仲間を得て精神的に成長したソニックもみんなみんな愛しい。良いコンテンツをありがとう。こんな気持ちになれるだけで観て良かったし今日の映画を予約したのも大正解だったなと思う。正直彼らの掛け合いが見たいだけだから、映画の筋がどんなんでもまぁ別に関係ない。オタクはそういうもんだ。

 一番衝撃的だったのは、ソニックがトムに「父さん」って呼びかけるところ。ソニックに、人間が、「父さん」と言われる世界線がある!?!!! 私はソニックの成長を見守る人間の目線で観ていたので、私の目線が映画のトムとリンクしたみたいで嬉しくなった。


【3作目】
※2025.1.23映画館で観た!
他に観客が居なくて、私の為だけに上映してた。

 観にきて良かった〜!!!
 シャドウのクールさが味わえるし、チームソニック3人組は抱きしめたいくらいかわいいし、人間たち含めキャラクターの掛け合いもギャグもアクションも盛りだくさんで見応えがあった。個人的には、理解不能な行動をしている人間を真顔で見つめるシャドウがたくさん見られて幸せだった。そういうときのクールなキャラって無垢に見えてかわいいんだよな。
 あと私はソニック達の保護者の目線で映画を観てるので、成人男性がテイルスに「君かわいいね」って声かけるところで「やめろ!!テイルスに近づくな!!!」と心の中で叫んでいた。かわいいけどさ!

 まぁ1番良かったところはね、クライマックスで原作ゲームの楽曲流れるところだね。露骨に湧かせに来ててよかったね〜!「オタクこういうの好きでしょ?」って見透かされてるのはわかるんだけどね。好きに決まってるよ!!!!

 正直、私はシャドウが出てくるソニックゲームをそんなプレイしてないので彼への興味がそんなに無かったんですけど、この映画のおかげで「うおおお幸せになってくれ...!」と愛着が湧きまくった。

 エンドロール後の映像でまたテンション爆アゲさせてくれるのも最高だね。エミーちゃんめっっっちゃくちゃ顔がかわいくて秒で惚れたし、シャドウ生きててとても嬉しかった。なんで映画ソニックは、主人公以外みんなビジュが100億点なんだ。


総評
 ソニックのエンタメ力はやっぱりすごい!
 スティーヴン・キングの『書くことについて』、血迷って買ったとしか思えない積み本だったけど(そもそもスティーヴン・キングを読んだことがない。絶対スピルバーグと勘違いして買った。エンタメを書くことについての話だと思ってた。)、物語を書きたい人間にはとても有用な内容でとても良かった。買うべくして買っていた。

刺さったところ
 ・たくさん読め、たくさん書け。読みも書きも等しく物語に費やした時間である。
 ・プロットに頼るな。物語は発掘を待つ化石であり、化石の姿は掘り終わるまで分からない。
 ・「見せることができるなら語るな」至言すぎ
 ・象徴性とテーマの補強は二次原稿でできる
 ・幸せになるために書く

 あと単純に「己にしかない知識で物語に厚みを持たせる」のもたしかに良い話。私しか知らない世界もあるもんな。


 とにかく創作意欲を掻き立てられる本だった。まぁ今は意欲死んでるので掻き立てられたところで書かないんだけど、こういう本があるって知れただけでも私の人生にプラスになったなと思う。
DUNE砂の惑星の原作を第三部まで読み終えた。

 映画2作目を春に観て「なんかずっと面白いぞ…?」とのめり込んでしまった作品。次々に出来事がやって来る叙事詩的な面白さに魅了されて、あと映画のこの先が気になったので、ためしに第一巻だけ読んでみたら面白くて、コミックスを買い揃える感覚で次から次へと読んでしまった。
 以下はその感想です。

・長ぇ!!!!一応ポール・アトレイデスの物語が終わるところまで読み終えようと思って「砂丘の子供たち」まで読んだけど、この先も砂の惑星の物語が倍以上続いていると思うと本当にビビる。原作量がハリーポッターに匹敵するとは思わなかった。想像以上の大河長編で恐れ入った。...今は正直、「もうやめてもいいか...?」という気持ちと「ここまで読んで世界観を記憶しているならこのノリで続編を読むべき」という気持ちが葛藤しているが、ここから進んでも邦訳が進んでない巻にぶち当たるので、一旦もうDUNEシリーズは置くことにする。新訳が発売したら買うよ...

・書評で「ストーリーの大枠を追っただけでは面白い小説ではない」と言われてるのは笑ったが、そのとおりだと思う。特定の人物の足跡が物語の筋として成り立つものではなく、世界観や現地文化や惑星環境、様々な派閥の思惑が交差して、「彼らはどんな結末を迎えるんだ...」とそれらの化学反応を見守る気持ちで読むのが面白いなと思う。たしかに大河って感じ。だから「このシーンが良かった!」とかハッキリ言える箇所はあんまりなくて、ただ物語の行方が気になって「なんか面白いな...」と静かな興奮を胸にどんどん読み進めてしまった。だからこそ、全7巻という総価格を考えたくない買い物をしてしまったんだな。
 この静かな興奮で画面を見入ってしまう感じは、映画版に感じていた雰囲気であり、私が原作に興味を抱いたきっかけでもある。映画版の雰囲気は、原作のいいところを再現してくれていたんだなと分かって嬉しい。

・ただ、結末が気になるあまりろくに理解せず読み進めてしまったので、できれば読み返して誰が何をしてどうなったのかまとめたい。まぁ三部までとはいえ長いんで、時間があればって感じですけどね...。春から読んでもう真夏かぁ...ほぼ半年、砂の惑星の物語と一緒に過ごしてきたってこと...?すごい上半期だな...。

ようやく物語の感想に入る
・ジェシカが最後まで死なないのは意外だった。映画初見の感想が「このお母様、主人公を残して死ぬタイプやろなぁ...」だったので、御母堂のことを完全に甘く見ていた。映画だと冷静な美人って感じだけど、心の声もわかる小説だと人間的な葛藤が結構ある。

・ポール結局なにがしたかったのか初見じゃ全然掴めなかった。ほんとにごめん。チェイニーがもっとも苦しまない道を選んだことはわかる。もしかしてレトと同じものが見えてはいたのかな...。

・第2作のダンカンがダンカンになることがトレイラクス会の策略!っていうところ、実はかなり好き。結局ポールにはミリも効かなかったけど、悪魔的で最高のトリックだなと思った。

・アリアと双子のちがいって結局なんだったん...?先人たちの記憶に守られたかどうかってこと...?双子は双子ゆえに感覚を共有できる相手がいたから、冷静に自分たちのことを見れたのかもね...。アリアにとっての共有相手はポールだったのかもしれないけど、ポールは消えてしまった。そこからアリアもおかしくなったと思うと、そりゃジェシカも苦しむよな...。

・三部終了時点でぜんぜん緑の惑星になってないけど、ここで物語おわってないから当然か...。カインズ博士の悲願が叶うところ見たかったよ...勘弁してくれよ...(この先を読むべきかどうかの葛藤)

とりあえず積み本にせずに済んでホッとしている。
また映画を見返して、背景やキャラクタービジュアルを補完したいな。
伊藤計劃『ハーモニー』を読んだ。

 ロジカルに展開される架空の世界と物語。
 もはやSFというより社会学。

 『虐殺器官』を読んで「伊藤計劃ってスゲー!」と言いながら、「どうせ百合だろ...」みたいな感覚で『ハーモニー』を読んでなかった自分をぶん殴りたい。マジでぶん殴りたい。ここまで「現代社会の延長戦」を徹底的に突き詰めた物語を読まずして、「思考実験みたいな小説が好き♡」とかよく言えたな私。死ぬほど恥ずかしい。

 展開やテーマが興味深くて面白いのは当然として、作品丸ごと一人称を生かした作りになっているのも痺れるポイント。まるで未来の書簡体小説。書かれる意味、そして読まれることも意識した構成に、物語というものに真摯に向き合って作られているのが伝わる。そういうところに惹かれる。

 読むことを後押ししてくれた友人に感謝を。
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