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4月が終わろうとしている。
はじめての部署異動は想像よりヤバいわけでもなく、想像より軽いわけでもなく、想像がつく程度には「ちゃんと大変」だった。慣れないことによる苦しさは、新卒の頃の気持ちとリンクする。あの頃の日記を読んで、同じ心情を繰り返している…と思った。
あの頃より変わったことがあるかといえば、「辛い時期はいつか去りゆく」という真理に気づきやすくなったことだろうか。今たしかに心の底から疲れてつらくても、直近の未来が楽しくなさそうでも、もう少し先(3週間後とか1ヶ月後とか)に目を向けたら、慣れないことによる苦しさは少しは和らいでいるのではないかなと思う。これは実体験による確信だ。もう駄目だと思うときでも、この視点にたどり着けるのであれば、少しは気持ちが楽になる。そして「1度は乗り越えてきた」という自負が、私を少しだけ救ってくれる。
とはいえ正直、4月当初〜中旬の記憶は全然ない。
分からないことだらけ、毎日が情報の洪水で、帰る頃には頭が重かった。朝起きても憂鬱だった。通勤場所が遠くなり早起きしなきゃいけなくなったのも、ダメージの原因だと思う。
土日は予定がなければ寝て過ごした。
4月の半ばを過ぎてようやく、ツーリングとか買い物とか、自分のために時間を使えるようになった。
毎日頭はパンクしていたけど、異動したばかりなのに滅茶苦茶な業務量を課されるとか、そういうことは一切ない。
むしろ周りがかなり配慮してくれて、私がやるべきことはほんの少しだったと思う。
その一方で私の精神だけが「はやく1人前にならなくては。異動したばかりとはいえ、ただの新卒じゃないんだから、ちゃんと使える人間にならなきゃ…!」と焦っていたところはある。心が病んだ原因の半分は、自分の焦りだったのかもしれない。
たしかに新卒とは違う。
その意識は良くも悪くも私を突き動かした。悪い面としては、焦りが募ったこと。良い面としては、一部の業務で即戦力になれたこと。幸運なことに、与えられた業務は前の部署でやっていたことと似ていた。実際の契約内容は違っても、契約の手続きでどんな書類を作るかは同じ、みたいな。むしろ契約件数の少なさに驚いたくらいだ。ブラック企業で腕を磨いた人間が転職先で無双するような類の楽しさはあった。
このアイデンティティがなければ、私の病み具合は尋常じゃなかっただろう。前の部署で先輩が言っていた「ここでちゃんと働けたら、どんな部署でも通用するよ」という言葉をふと思い出して、先輩の姿を追いかけていてよかったなと、しんみりするなどした。
異動して2週間も経たない頃、前の部署の近くを通ることがあり、一瞬だけ顔を出そうかなと思った。ただそのときは記憶が無いくらい毎日疲れている期間だったので、「いま前の部署に行ったら、きっと泣いてしまう。私が甘えるためだけに戻るのは良くない。割り切って無視しよう」と思って踵を返した。
私自身が職場の人に弱さを見せるのはもちろん、「前の部署が恋しくて戻ってきたんだ」と思われるのも、「新しい部署でうまくいっていないんだ」と思われるのは絶対嫌だった。そんなことを考えるなんて被害妄想が過ぎるのだが、私は過去に「異動したのにわざわざ顔を出してくる人」を見て、「異動したのに前の仕事に執着するなんてお節介だな。終わった仕事は忘れるに限るだろ」と、ぶん殴りたくなるほど生意気なことを実際思っていた。ああはなりたくない、私は絶対異動したら新しい仕事に全力を注いで、古い仕事の面倒をみるなんてことはしない、そう思っていた時期があった。
もちろん完璧に引き継ぎができたとは思っていないから、前の部署から質問があればちゃんと答える。ただ、私の方から自発的に助けに行くのはなんか違うなーと思っていた。
まぁそんな傲慢な考えは、捨て去ることになるんだけど!
結局、先週2回、前の部署に行った。
新しい仕事を定時で終わらせてから寄った。
理由は単純。後輩が大変そうだったから。
前の部署は私が抜けたあと、新卒が入ってきて、さらにメンバーが1人育休に入ってしまって、カツカツで大変なんだそうだ。後輩が電話してくるたびに「いつでも遊びに来てくださいね!」と言うので、これは相当参ってるな、と感じていた。こんなときに動かない方がかっこ悪いだろ。なんと思われても別にいい。後輩の助けになれるならそれでいい。
後輩の代わりに新卒の仕事をつきっきりで教えて、後輩が自分の仕事を片付けられる時間を確保する。たったそれだけが私にできる限界だったけど、自己満足でしかないけど、後悔はしてないよ。(当たり前に新卒がバリバリ残業している部署、怖いよね!)
そんなこんなで、苦しみばかり味わった4月が終わる。
間もなく引越しする。一人暮らしが始まる。
艱難に磨かれながら、自分を作っていこう。
はじめての部署異動は想像よりヤバいわけでもなく、想像より軽いわけでもなく、想像がつく程度には「ちゃんと大変」だった。慣れないことによる苦しさは、新卒の頃の気持ちとリンクする。あの頃の日記を読んで、同じ心情を繰り返している…と思った。
あの頃より変わったことがあるかといえば、「辛い時期はいつか去りゆく」という真理に気づきやすくなったことだろうか。今たしかに心の底から疲れてつらくても、直近の未来が楽しくなさそうでも、もう少し先(3週間後とか1ヶ月後とか)に目を向けたら、慣れないことによる苦しさは少しは和らいでいるのではないかなと思う。これは実体験による確信だ。もう駄目だと思うときでも、この視点にたどり着けるのであれば、少しは気持ちが楽になる。そして「1度は乗り越えてきた」という自負が、私を少しだけ救ってくれる。
とはいえ正直、4月当初〜中旬の記憶は全然ない。
分からないことだらけ、毎日が情報の洪水で、帰る頃には頭が重かった。朝起きても憂鬱だった。通勤場所が遠くなり早起きしなきゃいけなくなったのも、ダメージの原因だと思う。
土日は予定がなければ寝て過ごした。
4月の半ばを過ぎてようやく、ツーリングとか買い物とか、自分のために時間を使えるようになった。
毎日頭はパンクしていたけど、異動したばかりなのに滅茶苦茶な業務量を課されるとか、そういうことは一切ない。
むしろ周りがかなり配慮してくれて、私がやるべきことはほんの少しだったと思う。
その一方で私の精神だけが「はやく1人前にならなくては。異動したばかりとはいえ、ただの新卒じゃないんだから、ちゃんと使える人間にならなきゃ…!」と焦っていたところはある。心が病んだ原因の半分は、自分の焦りだったのかもしれない。
たしかに新卒とは違う。
その意識は良くも悪くも私を突き動かした。悪い面としては、焦りが募ったこと。良い面としては、一部の業務で即戦力になれたこと。幸運なことに、与えられた業務は前の部署でやっていたことと似ていた。実際の契約内容は違っても、契約の手続きでどんな書類を作るかは同じ、みたいな。むしろ契約件数の少なさに驚いたくらいだ。ブラック企業で腕を磨いた人間が転職先で無双するような類の楽しさはあった。
このアイデンティティがなければ、私の病み具合は尋常じゃなかっただろう。前の部署で先輩が言っていた「ここでちゃんと働けたら、どんな部署でも通用するよ」という言葉をふと思い出して、先輩の姿を追いかけていてよかったなと、しんみりするなどした。
異動して2週間も経たない頃、前の部署の近くを通ることがあり、一瞬だけ顔を出そうかなと思った。ただそのときは記憶が無いくらい毎日疲れている期間だったので、「いま前の部署に行ったら、きっと泣いてしまう。私が甘えるためだけに戻るのは良くない。割り切って無視しよう」と思って踵を返した。
私自身が職場の人に弱さを見せるのはもちろん、「前の部署が恋しくて戻ってきたんだ」と思われるのも、「新しい部署でうまくいっていないんだ」と思われるのは絶対嫌だった。そんなことを考えるなんて被害妄想が過ぎるのだが、私は過去に「異動したのにわざわざ顔を出してくる人」を見て、「異動したのに前の仕事に執着するなんてお節介だな。終わった仕事は忘れるに限るだろ」と、ぶん殴りたくなるほど生意気なことを実際思っていた。ああはなりたくない、私は絶対異動したら新しい仕事に全力を注いで、古い仕事の面倒をみるなんてことはしない、そう思っていた時期があった。
もちろん完璧に引き継ぎができたとは思っていないから、前の部署から質問があればちゃんと答える。ただ、私の方から自発的に助けに行くのはなんか違うなーと思っていた。
まぁそんな傲慢な考えは、捨て去ることになるんだけど!
結局、先週2回、前の部署に行った。
新しい仕事を定時で終わらせてから寄った。
理由は単純。後輩が大変そうだったから。
前の部署は私が抜けたあと、新卒が入ってきて、さらにメンバーが1人育休に入ってしまって、カツカツで大変なんだそうだ。後輩が電話してくるたびに「いつでも遊びに来てくださいね!」と言うので、これは相当参ってるな、と感じていた。こんなときに動かない方がかっこ悪いだろ。なんと思われても別にいい。後輩の助けになれるならそれでいい。
後輩の代わりに新卒の仕事をつきっきりで教えて、後輩が自分の仕事を片付けられる時間を確保する。たったそれだけが私にできる限界だったけど、自己満足でしかないけど、後悔はしてないよ。(当たり前に新卒がバリバリ残業している部署、怖いよね!)
そんなこんなで、苦しみばかり味わった4月が終わる。
間もなく引越しする。一人暮らしが始まる。
艱難に磨かれながら、自分を作っていこう。
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