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日記、感想、オタ活・・・ごちゃまぜ雑多の物置蔵
「人生で一度は雪山を登ってみたい」
そんな思いが消えないので、実行に動くことにしました。

ちょうど1年前の冬、「Celeste」というゲームを遊びました。感想はゲーム日記のところで投稿しています。そこにも書いているんですが、そもそもこのゲームに出会ったのは、thusさんの「氷雪」というボカロ曲に惚れ込んだからなんですよね。登山する人の心情を描いたボカロ曲って他に知らないですし、自分の精神を救うために自然に挑む心理(拡大解釈)っていうのがまた私の感性にぶっ刺さりまして、出会ってから一年以上経った今もよく聴いてる楽曲です。

で、何度も聴いてるうちに雪山登山への憧れが募りました。
単独行で雪山に登るってどんな感覚なんだろう。見渡す限りの白銀の雪、聞こえるのは雪に吸収されて異様に小さい風の音、地上よりも宇宙に近い場所、人が住むことの無い場所に踏み入る感覚。苦しいだろうか、寂しいだろうか、怖いだろうか…………私にもできるだろうか。

初めは「いつか行けたらいいな」程度でした。雪山どころかスキー場にも馴染みのない人間が夢を抱くには、雪山は遠すぎる世界でしたから。
しかし職場の上司が「若いうちにやりたいことは何でもやりなさい」という考えの人でして、その言葉をことあるごとに聞いていたら「いつかやりたいなら今やれば良いのでは?」という思考回路に至りました。秋に体験ダイビングに挑戦したんですけど、それも上司に触発されたからなんですよね。別に挑戦したからといって何が身につく訳でもないですが、「やってみた」経験は自分への自信になるもんだなとダイビングの時に感じて、そこから「雪山を登ってみたい」と明確に意識するようになりました。


まぁもちろん、初心者が雪山にソロで行くなんて自殺行為もいいところですから(なんなら夏山でも危険)、私は堅実に「初心者でも大丈夫!はじめての雪山登山ツアー」を利用することにしました。
(※2月のツアーですが今現在最小催行人数に達していません。果たして大丈夫なのか…)

登山に必要なのは確実な装備。というわけで社会人一年目として稼いだ額を将来への貯蓄とかいう常識を一切無視して投じ、雪山登山に必要なアレコレを揃えました。予想以上に必要なものが多くて大変でしたが、アウトドアショップの定員さんをフルに頼って揃えました。いきなり物が増えたので部屋が大変なことになっています。

そして今日、フル装備を車に詰んで、家から1番近い雪がありそうな場所まで行き、実際に雪を踏んでみたのです。


雪山専用登山靴にアイゼン(6本爪)を巻き付け、雪がズボンに入らないようにカバー(スパッツ)をつけて、ポールを片手にザクザクとレッツゴー。

歩いてみると、運動靴で歩くのとはわけが違って結構大変。ソールが硬いので足の動きが固定され、ポールで体を支える必要が出てくる。ケチってポール1本しか買いませんでしたが、これはたしかにもう1本欲しいなと苦笑いしました。来週買いに行くか…。

近くにスキー場がある山なので、遠くからはスキー客の賑やかな声が聞こえてきました。なんなら私が登る近くでも、ソリで遊ぶ家族連れが2、3組いました。スキー場はそこそこ混み合っているようだったので、こっちに遊びに来るのもわかる気がするな。



開けたところまで登ったところで、はたと周囲を見回すと、誰もいない。
先程までいたソリで遊ぶ家族連れはいつの間にか帰ったみたいです。音もなく雪が降ってきて、そういえば喧騒もどこか遠いなと感じました。雪が音を吸収するから、聞こえるはずものが聞こえない気がして、落ち着かずにドキドキしました。

ふと遠くを見ると、先程まで遠くの山々の景色がはっきりと見えていたのに、今は雲の中。ぎょっとしている間に近くの山脈も灰色に包まれていき、雪雲がどんどん近づいているのがわかりました。
まだ駐車場から300メートルくらいしか歩いていない状態でしたが、視界が悪くなるくらい雪が降ってきたら困るなと思って下山することにしました。ちょっと道具を試すだけのつもりで来てたので、ヘッドライトも追加の防寒具も持っていない、もしものことがあっても帰れないと踏んだためです。まぁ帰り道も時間が掛かるので、このへんでその判断をしたのは正解だったかなと思います。

多少の焦りを抱えて下った帰り道、深い雪に足を取られて転びました。早く帰ろうと、踏み固められた道を逸れたところでした。
怪我も何もなかったですが、これがもしクレバスだったら…そう考えるとゾッとして、ただでさえ一面真っ白で遠近感もバグりまくりなのに、道なんて読めたもんじゃないなと、雪の世界の恐ろしさを片鱗だけ味わった気分になりました。


わざわざ危険の多い雪の世界に行きたくなるのは何故なんでしょうね。

人それぞれ動機はあると思いますけど、私は寂しい極限世界っていうところに立ってみたいなぁと思うからです。人間どころか生物が来るような場所じゃねぇ!っていうところが地球にはあって、そんなところに私は立ったんだぞって感じたい。その他細かい理由もありますけど、とりあえず「行ってみたい」って思いが強いですね。


その夢が叶うことを願って。おやすみなさい。
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